教室

教室
空の一番むこうを指さした


いつも教室の窓の内側から
夜になるまで眺めていた

なんて嘘っぱちだけど

夕焼けが終わるころ、教室から追い出されて
それでもきっと、
まだ眺めていたんだ


空の一番むこうを指さした

そのときのわたしはどこにも行けなかったけれど
きっと遠くへ行けるんだと思っていた


一番むこう、
うつ伏せになった机から、あの教室の夜から

一番むこうのスピカまで

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