「家宝にして」

「家宝にして」
「家宝にして」、だ。
思い出した。
私はもうお別れだとわかっていて、でもそれを私はひとりにしか伝えていなくて、きっと知らなかったはずなのに。

餞別みたいに帰り際、くれた。

くだらなくて私以外にはゴミになるようなものだったけど、そのひどい偶然に泣きそうになった。

だから、します、って言って。


大事な大事な言葉をたくさんもらったけど、それこそ人生を変えるような。

だけどそれももう忘れてしまったものも、すごく多い。大切だったことはよく覚えているのに。

データも飛んだし。


ちゃんと記して行かなかったことをちょっと後悔している。

私を支える言葉の、輪郭はないのだ。

むぅ。

家宝にしているかは内緒です。

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