萌芽

萌芽
まさか、こんなに乱されるかと思わなかった。

一年前、よく似た場所によく似た立ち位置で、よく似た背中で、腕で、優しさで、どうしようもなく歩調が乱されて、もう会うこともないと思ってた。

のに。どうして同じように乱されて、どうしようもなく惹かれるのか。

似ているだけで乱されるなんて、私の四年て空っぽだったのか


私のざわつきは同時に、色んなことの終わりを指している気がする。

忘れないための風穴を、忘れるために開けられるような気がした。

あんなに似ているのが、憎らしいくらいだ。
くそぅ。なんで。

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