星砕き

星を打った

まっすぐに人差し指で、
あの空のあの方角の、あの明るい星がね、と

宵闇の中でもはっきりと流星の尾のように白く流れた君の指をみていた

星を打った

あの星が砕けて、流れ星になればいい 隕石になればいい
あんなに遠いところから、私のそばに来たらいい

星が流れる理由は、星が地上に恋をしてしまったから、と
誰かが恋しくなったから、と

星を打った

君の指が、避けようもなく致命的に星に命を捧げさせる

君は笑顔で告げながら、星を落とす



あれはあの人の星だから



(だから、君の隣でこの距離が絶望的に離れるのを、ぼくは祈る)

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