ばいばい、ぼくら

ばいばい、ぼくら
僕たちは夕焼けを放り投げた

君の横顔が霞む瞬間ごと、
繋げなかった手のひらごと、


今、何時?
訊ねたけれど、お互い時計を見なかった

その瞬間が、僕たちの別れの時間だったと たぶん、覚えていたくなかったから

いつか思い出して、あのとき、美しかったと、決して、決して、言いたくはなかった

癒える別れだと誰が謂っても


僕たちは夕焼けを放り投げた

音を立ててなど壊れない
手を離せばなくなるものなんかじゃあ、なかった

僕たちは夕焼けを放り投げた
僕たちは夕焼けを放り投げた



君が大切だったと言い置いて

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