夜間散歩

夜間散歩
暗闇に溶けてしまいたくなるでしょう、と私はきいた

耳をふさぐ手のひらも
耳を澄ませるための手のひらも

全部夜に溶けて星になって空に還ればいい と

そんなことばかり願っていた

星に憧れた
終わる光に憧れた

そんな風に息をしていた

美しい夜を携えて、てのひらをひとりにして。

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