薬指の痕

薬指の痕
まどろみは何の模様をしていたの

どんな声だった


誰かがわたしの夢のストーリィを知っていたとして

誰があなたを見つけただろう
誰があなたを呼んだりしただろう

淡くけぶる 青く霞む

誰があなたを知っていても
わたしにそれが必要ないのと同じで
あなたが笑った夢の痕に泣く


美しいてのひらを反して 欠けた小指を揺らした

まどろみにはどんな約束があったの

ゆびきりなんて必要ないから薬指で約束しよう

白くけぶる 青く霞んだ


私が泣いた夢の中で 欠けた薬指が光っていた

まどろみはどんな痛みだったの

それでもひどく眩しいまま 黄色く燃えている


燃えた後の灰を わたしは約束にした

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