感傷と名付けた

感傷と名付けた
寝静まると ひどく落ち着かない

人がいる静謐な空間に私がひとりうごめいている

大きく聞こえだす秒針の音が誰のために鳴るのか不安になる


ぼんやりとした暗闇がこの家にはあって
誰にでもなくどこにでもなく口を開けている
それの行く先を、わたしはきっとぼんやりと見ているのだ


寝静まり、私は私としか言葉が交わせなくなると、誰に許されているのか

何を確保していたのかわからなくなる


私が眠ったとき、この家は誰のものなのか。

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