灯りと骨壷

灯りと骨壷
その炎が、あたたかいだいだい色をした炎が、僕を焼いているのがわかる。

線香花火の中心みたいにじりっじりっと音をたてながら、暗い静謐の中で肉を燃やし、骨を熱し、あらゆるものがいちど燃えた

現れる乳白色の骨たちが空疎でひどく軽く もてあましてしまいそうで、ぼくは実際もて余しているのだ

こころも、しなやかに動く仕組みさえもう持たないそれを

昇っていった煙に僕の全てがいたんじゃないかとおもうくらい

ぼくは僕の骨を抱いて、この体を支え貫くものなどないのだと思う

焼かれ残るものなどないのだと

僕の骨を入れた小さな箱は、
その中でまだだいだい色の灯りを灯している気が、ぼくはした

なにも残らないけどぼくには僕の骨が残っていてそれがまだ燃えているのだ

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なんのはなし…

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