水中花火

走っていた

季節は夏で 半袖で 夜だから 肌寒くって
でもまとわりつく湿度で

ほとんど目を閉じて何も見ないようにして
走っていた

それでもまぶたのすき間から夜がどんどん入ってくる
走る速度で 泣いているのに

君がすきだ
君がすきだ
君がすきだ

過ぎたものはいつも尊い
何度も思うよ

足の指にサンダルの鼻緒が食い込んで痛い
とても痛い 生きていることの

海のない街に住んでいたから
私のセンチメンタルは公園と街灯にしかない


きれいだよ
きれいだよ
きれいだよ

何か運命と出会わなくても
泣いてよ

だれも 君を慰めやしないけれど


-

夏なんですね

好きな季節と言われるととくに無い。
たぶん聞かれたときによって変わる。

ただ北にきてから、
美しいのは冬だと、答えられる。

畏怖、というのか 雪は 本当に 美しいです

どこで何をして生きてもいいんだけれど

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