冬の毛皮の下

声ばかり覚えている

嘘だ
何も なにひとつ、覚えていない
声も手の感触も 髪の柔らかさも 背中の硬さも
髪の色も 睫毛の長さも 爪の形も こころも

言葉だけが 告げられもしない 諭されもしない
叱られも 慈しまれも 覚えられもしない
ただ受け取ってしまいこんだ言葉だけが

なにひとつ触れなかった

愛情も性欲も好奇心も同情も
たいていの気持ちをあなたに向けた

受け止められなかったものや
返されなかったものや 触れなかったものや
振り返られなかったものや 記憶に残らなかったものや

答えられたと思ったものの 全てがきっと反射で
空洞で 薄っぺらくもない 何もないもので

気味の悪いほど 純度の高い 空洞でできた もの

与えられなくても
応えられなくても
触れなくても

何度か何度も 無関係な朝ばかりがきて
終わらない

朝ばかりがきて
何もない私だけが残る

_

はじめて自分が哀れなのではと 思うに至る
もしかしたら

私のもつ、人に言われる母性なるものが
一体なんの役に立つのか。

過剰だし。

仕事に疲れています

自分の居場所、ということを考えてきたけど
能動的にこの土地はいやです。

ここに自分の人生のメインコミュニティを築くのはイヤ。という気持ちを明確にもつに至る。

仕事だから割り切ろう。

はてさて。はてさて。

何事にも感謝できないターン。

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