まぼろし

夏の隙間があいている

貝殻をこすり合わせるみたいな
高くもなく大きくもない 少しやわらかく硬いものが削れてゆく音がする

何かが失われるとき こんな気持ちだろうか 例え易く 花の散ることに

堅く握った手を開くのでなく
白くなった爪先をそのままに もっと強い力で握り込んでしまえばいい
痛いだろうけど

貝殻が削れてゆく柔らかく低い音がする

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失われることと、誰かの存在性について。気配、というものの大きさについて。
人の気配、夏の気配、生き物の気配、気持ちの気配。
なんか色々あるな。

当たり前に、存在するから失われるけど、持たぬから失われていくものはなんなのか。

最近、失われる、ということが少し気になっているのだと思う
何か手に入れたわけでもなく。

死ぬとはまた別で。

出張で2週間ほど職場を離れ、またもどってまた一ヶ月ほど職場を離れ。
気が付いたら夏が終わっているのだろうと思う。

大学時代と違い休みがあるのだけれども、休むことで精一杯である。

うむ。

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