よくある風景について、

たばこのにおいは もう覚えていなくて
うろ覚えのパッケージを指差して 買う煙草
火をつけてこんな匂いだったろうかと思う

誰かが繰り出す知らないお酒の名前にいい加減辟易する
誰か覚えられないしお互い覚える気もないのに笑って名乗り合うのも 握れない掌を見るのも
触れないものがあるのも

君の言葉では絶望しない

知らない人が私の名前を呼んだりする
笑顔で知らないお酒を注いでくれる
知っている煙草のにおいで

それは希望でもなんでもなくてもっと絶望に近いけど

触れられない絶望と隔たれる希望を 君が行き来しているのを 見ている。

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煙草は吸いません。

最近結婚した友人夫婦の夫のほうが、妻について、こいつ怖いんだよ、ヒステリックで。雪の中裸足で追いかけてくんだよ、と言って惚気ていた。

ほへーと思って、同時に、
いや、雪の中を裸足で追いかけてまで、あんたに何か分かってほしいほど、諦められなくて切り捨てられないって、スゲーなと。
そんな相手がいることってスゲーなと思う。
惚気だったわけだ。

雪の中を裸で歩けと言われたらまず寒いし痛いしたった3秒で靴は履けて。それを、つまり理性を上回る強い衝動の感情を相手に投げつけるのってその素直さとか育ちの良さみたいなものに、なんか、すごいな、と。

それを受け取って家を建てている君もほんとうに、すごい….

私の理屈に人前で泣ける奴はずるいという考えがあって 我慢できないとかじゃなくて人前で感情を隠すことをしないというかフラリと倒れてしまえる強さみたいなものを憎んでいる節があって。奴らは得をする生き物だみたいな。

嫉妬なのか。それについてはこんど時間があるときに向き合っておこう。

いやでも雪の中を裸足で追いかけるほど、私は自分のことがかわいくないことないな。ほんとうに。

ほんとうに感嘆したのであった。

冬だ。寒い。
仕事も手抜きを覚え始めて。これで続けていけるはずだと少し思った。

自分が悪いと思って凹んでいたのだがふと話を聞きつけたひとがそれは周りがよくないんだよ!とすごい勢いで言って下さりなんかわたしはほんとうに傲慢な人間だったのだと思う。
全部自分のせいにしておくと、とても生きていきやすいし、敵を作らないでいいので、わたしはそれを採用しがちだが、それはそれで傲慢な生き方だということを忘れてはいけないなぁ。などと。

師走の走り方が人生最速です。

今はヤマシタトモコさんの本を読んでいます。

自分への許しを求めてただただ本にそれを求めるときと純粋に物語に翻弄されたいときがあります。なんにせよ、本という存在は本当に、すき。

冬だなぁ。

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