ネイビー

どこから来たんだろう こんなにも冷たいものが
無言で打ち寄せているんだね

少し青い固まりに触れる

ネイビーのウールのコートの分厚さがすきだ
その袖口の そのフードの厚みから覗く手首と
首の温度が見るだけで分かるような気がする

世界の果てだね 海の向こうまで白いから
その向こうにはなんだか山が見えるけど

世界の果てだね

だって明日がこないような曇りだし
風だって冷たいし 雪で一面白いじゃない
このまま、ときどきしゃべる青くて綺麗な氷に侵略されて このまま

でも 春になっても そのネイビーのコートを着ていてね

_

あたたかいでしょう
世界は寒いから

_

北の大地に住んで早9年(もうすぐ人生の1/3になってしまうこわい…)
はじめて流氷を見に行きました 見に行ったというか たまたま視界に入ったくらいの雑さだったんですけど

流氷来すぎてもう海岸まで真っ白真っ白で
断面が少し青くて キレイで

キレイでした

とーおくまで白くて その向こうに海があって
あーこんな景色が側にあったら 人は死んだり生きたりしてしまうなぁ、と思いました

住んでいるところから100キロも離れていなくて車で2時間もかからなかった
不思議だなぁ

人生で海が側になかったので
海に多くのものを求めてしまいがちなんですけど

私はもっと現実感のない人間でいたかったんだろうな
霞とかを食べて 生活感のない そういうあこがれがあるんだろうな

うん

元気です

昔から分厚いネイビーのコートを着た背中をみるとなんか胸がぎゅっとなる病です

name
email
url
comment